15歳で歌舞伎町の女になる「前夜」緊迫の17時間

こんにちは。とろみんです。

先日15歳でキャバ嬢となり生活をし始めた頃の事を書きました。

家出が歌舞伎町に足を踏み入れる大きな原因ともなったわけですが

気持ち的に追い詰められて、家を飛び出してしまうまでの当日の17時間を綴ってみます。

「本名を捨て、歌舞伎町で生き始めた頃の話」はこちら

 

 

学校にも行かず遊んでいたら、突然親に連行された日

 

「荷物まとめなさいっっ! 」

寝ていた私は叫ぶ声に起こされた。

当時私は親元から離れて住んでいました。

 

高校入学の際わざと遠い、県外である都内の学校を選び、

無理を言って部屋を借りてもらっていました。

 

私の住まいは門限と食堂付きの、大学生専用かつ、女性専用の物件でした。

本来は高校生の入居は受け付けてもらえません。

ですが、なんやかんやで審査を通してもらい特別に入居が認められました。

 

門限はありましたが、それをすり抜ける裏技を覚え夜遊びをはじめていました。

そして学校に行かなくなっていました。

 

そんなどうしようもない状態の私を連れ戻しにやってきた両親。

 

母は私に構うことなくプラスチックの衣装ケースに

着る事もなさそうだと思っていた制服や、学校のかばんなど詰め込み

ついでに私もあっという間に車に積み込まれ実家に帰ることになりました。

 

「・・・お腹空いた」

何も食べていなかった私は途中でハンバーガーを買ってもらい

車の中で食べました。

ハンバーガーショップが混んでた記憶があるのでその日は日曜だったのかな…

車の中ではもちろん会話もなく、険悪な雰囲気だったのでそれ以外の事は覚えていません。

 

 

引きずってでも学校に連れて行くつもりと断言した父

 

家に着くなり父は「明日絶対学校に連れて行く」

と言い放ちました。

 

私は行きたくないのに・・・

そんなに無理やり学校に送り届けて何になるの?

そんなにお父さんは世間の体裁を気にして

自分の娘を無理やりレールの上で走らせるために燃料積み込むの?

 

父の放った一言にそんなふうに思いました。

 

「もう沢山遊んで気が済んだでしょ。いい加減にしなさい。」

父はそうやって私をたしなめもしました。

 

・・・今までほとんど行ってない高校にどんな顔して戻るんだろう?

ここにいても私の話しなんて聞いてくれない。

朝を迎えてたら学校に連れていかれてしまう。とにかく逃げようと思いました。

 

でもどうやって。

 

両親は私を見張っているし。

外出しようにも当然付いてくるだろう。

 

夜になり、ちょっとした隙をみて

小さなリュックに洋服や身の回りのもの

手に取れるものをグチャグチャに詰め込み家を出ようと試みました。

 

その時だった。

 

「何してるのっっ!!」

後ろから叫ぶ母の声。

 

幸い手に持っているリュックは見られていない。

とっさに横にあった洗濯機の中にリュックごと放り込み何食わぬ顔をしました。

 

「別に。鏡みて何が悪いの?」とごまかしましたが

「今何しようとしてたの!!」と食い下がり怒り出す母。

怒り出した母の声を聞いて父まで顔を出す始末。

 

その様子を見て「あ~。。。見つかっちゃった。だめじゃん作戦失敗」

と思い、諦めて部屋に引き返そうと

洗濯機に隠したリュックを取り出した。

 

それを見た母は悲鳴を上げながら

「ちょっと!!お父さんっっ見て!この子逃げようとしてたのよ」

とかなんとか叫びまくっていた。

 

その様子を見て私は逆に冷静になってしまい

ギャーギャーうるさいな…と思いながら

諦めの境地で自分の部屋に大人しく入り、ドアを閉めようとしました。

 

すると勢いづいてしまった母が

「部屋も汚いのよ!!」と全く関係のない事を叫びながら付いてきた。

まぁ。前日まで私は別のところに住んでいたので厳密に言うと私が散らかした部屋ではないし実際汚れてないんですけど。

 

気がすまないのかまだ叫び続ける母。

そして

「ほこりだらけじゃない!汚いのよ!」

「汚らしいっこの売春婦!!」

と叫んだ。

 

これに関しては、なぜ母がそんな言葉を吐いたのか未だに謎のままですが

母の行き場のない気持ちが爆発した結果の言葉だったんじゃないか…なんて思います。

 

医者を目指して偏差値70以上の従兄弟達の中、

学校にもいかずフラフラしている娘を持つ身として親戚内で肩身が狭いとか

それに対する劣等感もあっただろうし、

もしかしたら私がフラフラしてることを父親に責められたりしてたのかもしれません。

 

今は母親の心情も少しは考えられますが当時は

自分の物差しでしか物事見れなかったので

「この人は一体何を言ってるんだろう…」とショックだったし絶望感が漂いました。

 

実はその日の昼間、母とこれからの事に関して少し話し合いました。

私が「高校ではなく中卒でもいける専門学校に行きたい。

コンピューターとか美容師とか何か、仕事に直接繋がるような学校の方が良い。」

と言うと

 

「そうね。やりたいことが一番良いのよ」って言っていたので

理解をしてくれている。と思っていたそんな母親から

まさか売春婦とかいう罵倒を浴びせられる事になろうとは思ってなかったので

頭が真っ白になったし、なんだか裏切られた気持ちになりました。

 

ここに居てももうだめだ。

 

私は心の拠り所がなくなった気がして、現実逃避したくなったんだと思います。

なぜかそのタイミングで夏の残りの線香花火をしました。

 

線香花火は短く派手な火花を咲き散らしたあと

火玉がジジッと音を立て落ちていきました。

花火って儚いな…。

 

 

何が何だか分からないまま飛び出した

 

色々考えているうちに寝てしまったようです。

ハッと気が付くと午前4時。

 

やばいっ

早く逃げなきゃ。自分の部屋のドアをそっと開けると誰も起きている様子はない。

反射的に助けを求めようと

当時付き合っていた人に電話しました。

「助けて。もうだめ」

 

当時はまだ携帯を付き合っていた人も私も持っていなかったので

家に電話したんだろうけど

よくも朝の4時に連絡がついたものだと思います。

 

電話で話すうちに

その付き合っていた人は家の近くまで車できてくれることになりました。

 

電話を切りいざ家を抜け出そうとした時。

 

なんと父がおきてきてしまいました。

 

しまった。少し電話でゆっくり話しすぎたかも知れない。

 

どう抜け出そう。

私の部屋から外に出る時は必ず居間を通る設計になっており

現在父は居間にいる。

 

どう考えてもそこを荷物を持って通れば見つかってしまう。

しかしながら急がなければ。

あと30分程で彼氏も到着してしまう。

 

荷物を持って部屋を出ることは不可能だと思ったので

トイレに行くふりをして靴を取りに玄関へ向かいました。

靴を手に取ると

着ていたダボダボの服のお腹部分にスニーカーとパンプスを隠して

一旦自分の部屋へ戻りました。

 

ここからが問題でした。

私の部屋は2階にあります。

 

試しに部屋の外のベランダから下を覗き込むと

間違っても飛び降りれる高さではありません。

だけどここしかない。

早くしないと父が私を学校に連れに行く為、呼びにきてしまう。

 

ぐずぐずしているヒマはない。

 

まずは部屋にあったベルトを繋ぎ合わせ、ベランダからリュックを静かに降ろした。

繋ぎ合わせたベルトから手を離すと

地面に落下する音がカシャンと鳴り、その小さな音でさえバレないかとヒヤヒヤした。

 

次は私だ。

どうやって降りよう。

飛び降りるのは不可能だ。

 

その時、目に飛び込んだ外壁をつたう配水管のパイプに一か八かで足をかけ、

のぼり棒を降りる要領で体重を預けた。

 

キシキシきしむポリウレタン製の配水管。

音も気になるが途中で折れたりしないか怖かった。

 

 

 

家を飛び出して向かった先とその先の未来について

 

「大丈夫???」

心配した彼氏の顔。

「とにかく訳わかんないけど来たよ」

 

私がなんとか配水管を伝い降り家を抜け出すと

待ち合わせ場所に彼氏は既に来てくれていました。

 

とにかくその場は早く離れようという事になり、車を出してもらう事に。

着いた先は海。

 

ちょうど日の出の時間とぶつかり、にくいほど清々しい海だった。

 

 

「一体どうしたの?」

砂をいじる私に対して、彼氏は隣に腰掛け優しく問いかけた。

 

「とにかく出なきゃって思って。。。

2階の部屋からね、配水管のパイプをつたって降りてきたの。」

 

「今6時近くだし家では私を学校に連れて行こうとするお父さんが

私の居ないことに気がついて大騒ぎになっているよね。

30分程前に私を見ているのに居なくなっているのは結構やばいよね。」

 

まだ心の整理がついてない私は説明になっていない説明をしていました。

 

配水管に足を掛けてから逃げ去るまで2分位の出来事だっただろうか。

もっと掛かったのかもしれない。

今頃母親が半狂乱で私を探している様子が頭をかすめる。

 

私は彼氏に向かって絞り出す様にお礼を言った。

「・・・・・・今日は本当にありがとう。。。。」

 

「ありがとう。」

 

 

当時私は自分の事で精一杯で周りの気持ちを考える余裕なんて全くありませんでした。

だからこそ家を飛び出してしまったのだと思います。

 

そんなにも手足をバタつかせ、もがき苦しんで何を求めていたか分かりませんが

毎日が窮屈に感じられていたことだけは確かです。

 

でも。

勢いで飛び出してしまいましたが

全く計画がなかったので何処に向かっているのか。

また、

何をしにどんな目標を掲げればいいのかすら見当をつけていなかったです。

 

そんな状態だったので

晴れて自由の身になり嬉しいはずが

逆に暗闇の中を彷徨っているような気分になっていました。

 

この後の私の人生がどうなったかは

また書いて行こうと思います。

読んでいただきありがとうございます。

 

こちらもどうぞ:家をでてから歌舞伎町の店に拾われるまでの話

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